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  • 執筆者の写真yuj

バクシーシ



あなたなら、どうしますか?



インドでの出来事。


オートリキシャに乗ってました。

バイクの後ろ席に2〜3人乗れる、


そう、こんな。




インドはご存知の通り、

交通量が多く、騒音も排気ガスも物凄い!!

道は舗装されていてもガッタガタ。

運転は果てしなく荒い!



「そこ、通るぞ〜!

どかないと危ないぞ!!」


そう言わんばかりにクラクションを鳴らす。

道を譲る、なんてありません。


競り合って、ぶつかりそうだな、と

ブレーキをかけた方が負け。

だから娘は膝の上。

私の腕でしっかり抱きしめる。

もう片方の手で手すりを。




信号で止まっていると、


前に停車中のリキシャに少年が駆け寄りました。

右も左も、前も後ろも、停車する車両が所狭しと並ぶ中。



見守っていると、私たちの元へ。

少年は娘と同じかちょっと大きいくらい。

片手を出して訴えます。



乞食です。




私はとっさに財布に手を伸ばしました。

いつ信号が変わるかわからない!



でも娘を片手で抱いていたので思うようにお金を出せません。


もたついていると信号が変わりました!



もう諦めるかと思ったんです。

私も諦めようとした。

だって危ないし。

早く道路脇に行って欲しかった。



でも少年は諦めません。

一歩も動かない。



運転手が何やら叫ぶ。

すると、少年も言い返す。



多分、


「信号が変わったじゃないか!?あっちへ行け!」

「もうちょっと待ってよ!!」


って感じかと想像します。




私はコインを渡しました。

6ルピー、日本円で10円ほど。

少年はその場を離れ、私たちの乗ったリキシャは発進。




胸が痛みました。




10年前、初めて訪れたインドで物乞いを目の当たりにして、

ショックを受けました。

その時は断ることができず、物乞いが近づく度にお金を。



でも渡すと、


「私はこの子を養わないと」

「私は片腕がないのよ!」


と、


不幸自慢?!

というほど、次々と集まってきます。



振り切ってお金を渡さずに通り過ぎると、

襲ってくる罪悪感。



考えさせられました。



でも、私が全員を救えるワケがない。

救う?

そう思うこと自体、違うよね?と。




そこには文化の違いがあります。


イスラム教徒の義務の一つに「ザカート」(喜捨)というものが。

金持ちが困窮者に施しをする、というもの。


それが、イスラム圏のバクシーシの習慣につながる。

つまり、困窮者がお金持ち(旅行者)に施しを受けるのは当たり前、

という態度。


それを理解してからは、罪悪感に苛まれることはなくなりました。




が、


今回は娘と変わらぬ歳の子に、とっさに財布に手が伸びました。


やっぱり胸が痛みます。




世界の裏側にはこんな現実がある。

それを娘に見せる事が出来たのは良かったのかな、と思います。


娘が何を感じ取ったかはわかりませんが。





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