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  • 執筆者の写真yuj

初めての買付け

更新日:2019年4月1日


インドで布を買い付けてきました!




訪れたのはサンガネールの布問屋。


殺伐とした通りに、無愛想なインドの建物たち。

道は舗装されておらず、土埃の中、あちこちに野良犬の姿。


「こんなところに布問屋があるの?」


半信半疑な私に、タクシーの運ちゃんが「着いたよ」と。

そこには、2階建ての建物が。

一歩中に入ると、床から天井までぎっしりと積み上げられた、

色彩豊かな布、布、布!!

外界とのギャップに驚いてしまいます。


私のテンションは一気に急上昇!




どんな布を探しているのかを聞かれ、答えると2階へ連れて行かれます。

インドのアクセントが強い英語を喋る、商売っ気たっぷりのおじちゃん。


片っ端から布を広げていき、私が、ウン!と首を縦に振ると、

もう一人のお兄ちゃんがたたむという流れ作業。



枚数が多くなってくると、散らかった布を横目に、


「後片付け、大変だろうなぁ」

「他にお客さんが来たらどうしよう。早くしなきゃ!」



と、焦りが出てきて・・・。

だんだん、首を横に振るのに罪悪感を感じるように。



「いやいや、妥協はしないゾ」



そんな不慣れな私に、問屋のおじちゃんは「100枚買え!」と。

枚数が増えると単価を安くしてくれると言う。




「今、何枚?」


とお兄ちゃんに確認すると、まだ20枚足らず。



「えっ?まだ??」


なんだか、自分の買い物をしているような気分で、

これ以上、買えない・・・。


今の私は50枚選ぶのが精一杯でした。



他にも刺繍の入った布や、ウール、カシミール、パシュミナ、

なんかもあって、キョロキョロする私。

それを察してか、タイミング良くチャイが運ばれて来ます。

一息ついて、ちょこっとだけ自分のお買い物。

本心は、この建物に一人こもって片っ端から物色したいーーーー!!

でも後ろにぴったりついてくるおじちゃん。



まぁ、初めての買い付けだし、こんなところで終了。

航空便で送ってもらう手続きを。



帰国後。

発送から5日で着く、と言われたのに、待てど暮らせど届かない。

うーーーん、騙されたのか??

でも、心を鎮めて待つこと、更に1週間。



着いたーーーー!!




一枚、一枚、広げて、アイロンがけ。

ゴミを取ったり、ほつれを取ったり。

本当にうっとりする時間。

単調作業の中にも喜びが。


「どんな職人さんが版を押したのかな?」

「あ、染めムラだ。急いでたのかな?」

「この埃は天日干しで付いたのかしら?」



夫がその様子を見て、


「全部にアイロンかけるなんて大変だねぇ」と。



???



先日出会った、ある女性。

彼女も20年ほど前、初めてインドで布を買い付けたのが始まりとなり、

今ではタイで洋服作りを手がけているのだそう。

初めて買い付けた布。

一枚一枚にアイロンをかけながら話しかけたのだとか。

アイロンをかけながらの布との会話、至福のひとときだった、と。


オンナジダ♡




アイロンがけもほぼ終わり、友人にお土産として一枚選んでもらうことに。


広げながら、この布はどこの産地で、染めは天然染料なのよ、

なんて話していると、どの布とも別れ難い想いが。



そう言えば、小学生の頃、手芸屋さんに並んでいるレースや布、ボタンを

ただ眺めに行くのが好きだったなぁ。


好きなことって子どもの時から変わらない。

むしろ自分の本質は子ども時代にアリってこと。





そんな布たち。


今すぐに、とは考えてませんが、準備が整ったらお嫁に出そうと思います。

それまでは私の目の保養ってことで。




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