インドで布を買い付けてきました!
訪れたのはサンガネールの布問屋。
殺伐とした通りに、無愛想なインドの建物たち。
道は舗装されておらず、土埃の中、あちこちに野良犬の姿。
「こんなところに布問屋があるの?」
半信半疑な私に、タクシーの運ちゃんが「着いたよ」と。
そこには、2階建ての建物が。
一歩中に入ると、床から天井までぎっしりと積み上げられた、
色彩豊かな布、布、布!!
外界とのギャップに驚いてしまいます。
私のテンションは一気に急上昇!
どんな布を探しているのかを聞かれ、答えると2階へ連れて行かれます。
インドのアクセントが強い英語を喋る、商売っ気たっぷりのおじちゃん。
片っ端から布を広げていき、私が、ウン!と首を縦に振ると、
もう一人のお兄ちゃんがたたむという流れ作業。
枚数が多くなってくると、散らかった布を横目に、
「後片付け、大変だろうなぁ」
「他にお客さんが来たらどうしよう。早くしなきゃ!」
と、焦りが出てきて・・・。
だんだん、首を横に振るのに罪悪感を感じるように。
「いやいや、妥協はしないゾ」
そんな不慣れな私に、問屋のおじちゃんは「100枚買え!」と。
枚数が増えると単価を安くしてくれると言う。
「今、何枚?」
とお兄ちゃんに確認すると、まだ20枚足らず。
「えっ?まだ??」
なんだか、自分の買い物をしているような気分で、
これ以上、買えない・・・。
今の私は50枚選ぶのが精一杯でした。
他にも刺繍の入った布や、ウール、カシミール、パシュミナ、
なんかもあって、キョロキョロする私。
それを察してか、タイミング良くチャイが運ばれて来ます。
一息ついて、ちょこっとだけ自分のお買い物。
本心は、この建物に一人こもって片っ端から物色したいーーーー!!
でも後ろにぴったりついてくるおじちゃん。
まぁ、初めての買い付けだし、こんなところで終了。
航空便で送ってもらう手続きを。
帰国後。
発送から5日で着く、と言われたのに、待てど暮らせど届かない。
うーーーん、騙されたのか??
でも、心を鎮めて待つこと、更に1週間。
着いたーーーー!!
一枚、一枚、広げて、アイロンがけ。
ゴミを取ったり、ほつれを取ったり。
本当にうっとりする時間。
単調作業の中にも喜びが。
「どんな職人さんが版を押したのかな?」
「あ、染めムラだ。急いでたのかな?」
「この埃は天日干しで付いたのかしら?」
夫がその様子を見て、
「全部にアイロンかけるなんて大変だねぇ」と。
???
先日出会った、ある女性。
彼女も20年ほど前、初めてインドで布を買い付けたのが始まりとなり、
今ではタイで洋服作りを手がけているのだそう。
初めて買い付けた布。
一枚一枚にアイロンをかけながら話しかけたのだとか。
アイロンをかけながらの布との会話、至福のひとときだった、と。
オンナジダ♡
アイロンがけもほぼ終わり、友人にお土産として一枚選んでもらうことに。
広げながら、この布はどこの産地で、染めは天然染料なのよ、
なんて話していると、どの布とも別れ難い想いが。
そう言えば、小学生の頃、手芸屋さんに並んでいるレースや布、ボタンを
ただ眺めに行くのが好きだったなぁ。
好きなことって子どもの時から変わらない。
むしろ自分の本質は子ども時代にアリってこと。
そんな布たち。
今すぐに、とは考えてませんが、準備が整ったらお嫁に出そうと思います。
それまでは私の目の保養ってことで。